11.20.2011

日本メーカーのスマートフォンの敗北

2011年11月20日の日経11面。

スマートフォンにおける日本のメーカーの存在感は薄い。
日本ですら結構薄いんだから、海外ではなおさらだろな。

iモード・カメラ・おさいふケータイなど技術はもっていたのにそのチャンスを逸した。

記事によると、原因はドコモ頼みの体質にあったらしい。

日本電信電話時代から、NECなどの「電電ファミリー」をはじめ、
メーカーは下請けに甘んじてしまっていたようだ。

現在もNTTの設備投資は2兆円を切るくらいあって、
ファミリーの呪縛にはまったままの構図らしい。


電力の分野でも同じことが起きつつある。

電電ファミリーならぬ「電力ファミリー」は日立・東芝・三菱重工とかで、
電力ではスマートグリッドの流れがきている。

でも、日本企業はファミリーの呪縛のために、スマートフォンの場合と同様に輝きを失っていってしまうのではないか、と不安視している記事だった。

スマートグリッドはアメリカでは1000万戸以上、イタリアとかスウェーデンでは全戸に設置済みのようだ。

11.19.2011

くるりのライブ

くるりのライブに初めて行ってきた。
ZEPP東京で。

くるりはポップな曲もあるけど、けだるい曲も結構多くて、
アルバム通して好んで聞くという感じではなかった。
でも今回直接聞いてみると、全部かっこよかった。
(かっこいい曲を選んだから、という気もするけど。選曲のために自分たちの今までの曲全部を17時間くらいかけて聞いたと言っていた。そしたら疲れたらしい。そらそやろw)

石巻復興節のこともあって、岸田さんのことは大好きになった。
この曲聞いてると、ライブ中なのに涙が流れてしまった。
そのあとのブレーメンでもまた涙出そうだったけど堪えた。
岸田さんはあんなボサボサの髪型だけど本当にかっこよかった。

佐藤さんのベースもかっこよすぎ。ベーシストには憧れる。
この2人の関西弁にも親しみ感じるなー

新メンバーのトランペットをメインに担当してるファンファンさんは、笑顔かわいすぎ。惚れた。
あとは謙虚な物腰が印象的だった。

ドラムの田中さんは、気風のいい兄ちゃんって感じ。やはりかっこいい。
俺と対称な雰囲気を感じた。。
セロ弾きの吉田さんは、楽器たくさん弾けるのと、きょどってるキャラに好感もったw


くるりは、サイケデリックな遅いテンポの曲も多いけど、突然くる超ポップな曲はずるい!

くるりの良い意味でひねくれてる感じも、ナイーブな曲も、ポップなのもいい。
今んとこ好きなバンド第3位だな。


あと、ライブ行くにあたって予習してる時に思ったこと。
くるりの曲の、他のバンドのあれに似てるリスト。

Ring Ring Ring !のギターは、The kinksの名曲You really got meとかAll day and all of the nightとかのギターに似てる。

カレーの歌は、John Denverのtake me home, country roadに似てる、と思ってたけど、
今はGoing steadyの東京少年のサビのメロディーとかぶる。

マーチ、のスローテンポの部分は、The Coralのけだるいというかエキゾチックな感じと印象が似てる気がする。そういう曲はマーチだけじゃないけど。尼崎の魚とかもそういう印象を強く受ける。くるりのポップ部分よりもけだるいとこが好きな人には、The Coralなんか最高なんちゃうか。

窓、の最後の最後に出てくるギター部分がQueenでよく聞く感じのギターの音を連想させる。

あと、どの曲か忘れたけどThe BeatlesのTommorow never knowsとかに似たのあったな。
やはりサイケデリックつながりで。


とにかく、行って良かった!

11.17.2011

石巻で聞いた話。

こないだ石巻に行ったときに、「石巻市復興を考える市民の会」の藤田さんという方に聞いた話。

マスコミ(特にNHK)の報道に対する不満と、
被災者の自分の行動が他の被災者に与える影響をお話された。

以下にメモと記憶を頼りに書く。

数か月前、仮設住宅内で自治会が立ち上がった、ていうニュースが放送されて、
いかにも希望に満ちている感じの報道があった(たぶん今もある)。
その報道はNHKによるものだったらしい。

だけど、藤田さんによると、そういう進んだコミュニティは一部だけで、
残りは全く近所のつながりもないような状況みたい。
そういうNHKの報道は迷惑だと、大きな声で切実に叫んでいた。
実態を全て報道してくれと。

同様のことは水産の報道でもあったらしい。

漁業が盛んな石巻で、震災後に復興が進んで水揚げが始まった、という報道に関して。

藤田さんが言うには、それがどうしたと。
復興がまだまだなのに、進んでる感のある報道はやめてほしい。
ほんの一部にすぎない。
復興しつつある報道をするんなら、その他の圧倒的大部分は全然進んでいない、
というニュースも合わせて報道するべきだ、と。

マスコミは、取材で藤田さんの所に来るとき、ある前提をもっているそうだ。
視聴者はTVで惨事ばかり目にして、鬱になっている。
だから復興が進んでいるというニュースをとりたい、という前提で。

その話を聞いて、残念に思った。復興の報道を疑うようにしようと思った。
この報道の姿勢は全くの本末転倒じゃないか。
間違った報道とまでいかなくても、間違った印象を視聴者に与えてるんだから。

それに、視聴者は、TVとかの報道を避けることができるけど、
被災者は被害から避けることはできない。


藤田さんは、マスコミのその出来レースに嫌気がさして、
今では取材は一切受けていないって言ってた。
当然だと思う。公共放送をうたい文句にするNHKがそれじゃどうしようもないな。
(NHKの言うところの公平性とか中立性は、俺はもともと嫌いだけど。


藤田さんのお話されたトピックはもう一つあって、
支援活動をすることで他の被災者たちに与えるポジティブな影響について語っていた。

藤田さんによると、被災地では自殺者が増えているそうだ。
家に住めなくなって、地元を離れざるを得ない人が多かったり、
どんなになっても地元がいいと言って家の2階で暮らしたり、
たとえ仮設住宅とかに入れても、今までの近所のまま住めるわけじゃなかったりで、
被災地のコミュニティは完全にバラバラになってしまった。

家族がいればまだ良いけど、独り暮らしの年配の人たちとかも多くて、
被災者が鬱になる場合が多いらしい。

そういう状況で、藤田さん達が草の根的な活動として、
例えば独り暮らしの家の近くのがれきを掃除したり側溝の泥を取り除いたりすると、
その家の人は本当に感謝してくれて、場合によっては家から出てきて、
涙を流してくれることもある、と言っていた。

溝掃除によって自殺を防ぐ。

震災によって本当に行き詰っていて鬱の人たちにとって、身の回りを綺麗にしてもらうということは生きる希望をもらえるということなんだ、と藤田さんは言っていた。

だから、この活動は自殺をぎりぎりのところで喰い止めているんです、
と力強い声で藤田さんは話していた。

藤田さん自身ももろに被災されていて、それだけにこの行動力には本当に敬服した。


もう一つ別に印象的だったこと。
自分が参加した泥掃除の活動の最後に、藤田さんともう一人別の男の人が記念に2ショットを撮っていた。そのとき藤田さんは、「ぶっ壊れた家を背景にね」と思い切りいい笑顔でつぶやいていた。笑っていいのか分からなかった。

この人はもう突き抜けちゃってるんだな、と感じた。
でないと、自分も本当に厳しい状況の中で、こんなにできないと思う。

1回参加しただけの自分には自殺を喰い止めるなんていう意識は実感わかないし、
実際、活動してても涙流して感謝されるなんてことはなかった。

それでもたぶん活動に参加したことは意義があったはず。
少なくとも、市民の会の方々には感謝されていたはず。。


最後にメモ。
くるりの岸田さんも東北を訪れたみたいで、
10月11日の日記(リンク)にはその記録が結構詳細に記されてる。
このとき石巻復興節は生まれたんかな。

11.16.2011

宮城県は石巻市に行ってきました。

11月4日の夜行バスに乗り、11月5日に石巻市に行ってきた。
前から行きたかった被災地支援活動のため。

地域の芽生え21っていうNPOの募集に応募した。
総勢40人強で、みんな関東から。71歳の参加者という強者もいた。

参加費は5000円で、0泊2日。
22:30に東京駅丸の内北口集合で、翌日8時くらいから作業を始める日程。

独りで参加したけど、バスで隣だった大学生も独りの参加で、
人懐っこく話してくれたおかげで孤独は感じなかった。
名前は伏せるけど、ありがとう。

翌日早朝にバスは石巻に入り、コンビニに寄ってくれて朝食と昼食を買った。
その後作業場所に向かう途中、大量のがれきとトミカのように積み重なった車の山を見た。
あと、途中で14時50分ごろで止まったままの壁掛けの時計も見た。




今日の作業は側溝のヘドロ除去。
今回の作業は「石巻市復興を考える市民の会」との共同作業だった。被災者を中心とした団体で、現地に来るボランティアと連携してずっと復旧活動を行っているみたい。

作業前に、その市民の会の方からお話を聞くことができた。
そこからは、切実でいて強烈な不満や想いを感じた。この内容は別の投稿に。

作業自体はどちらかというと力仕事だけど、
個人的にはちょい強めの筋トレ程度という感じで、そこまできつくなかった。

辺りの建物の1階がことごとく骨だけだった。



信号もこんなになってた。


40人で来たから見学っていう雰囲気は消えなかったけど、
もし一人で来ていたら人気の無さにぞっとするような恐怖を感じる気がした。

かつては賑わってた港も見学することができた。


道路だったはずのところが未だに水で満たされていた。
ガードレールだけがむなしく水面の上に見えた。




結構がれき類は取り除かれてたけど、それだけに何も残ってない感がはんぱ無い。





まだまだやるべきことは文字通り山積みという印象を受けた。
これからの石巻は、薄れてゆく世間の注目と、復興がだいぶ進んでるという幻想との戦いを強いられそうだと感じた。

行きたいと思う気持ちと、実際にNPOを探すことを含めて行動することとの間には壁があったけど、行って良かった。


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最後に、11月15日に行ったくるりのライブで、石巻復興節っていう曲が演奏されたことについて。

くるりの岸田さんと石川さゆりさんが石巻土着の歌を意識して作った歌だそうだ。
歌詞は石巻どこかで見た寄せ書きとかを取り入れたって岸田さんは言ってたな。

聞いてたら涙流れた。曲聞きながら涙が出るなんて体験は人生で初めてだった。
その他の曲もめちゃくちゃかっこよかった。くるりのファンになった。