9.12.2012

「追跡 復興予算 19兆円」 (2012年9月9日放送)

NHKの
 「追跡 復興予算 19兆円」(2012年9月9日放送)
を見ながら書いたメモ。


「国内立地補助金」として3000億円。
(ぐぐったら、正式には国内立地推進事業補助金、て名前かも。)

震災前は別予算で行われていた事業も、復興予算を利用して充実されている例が紹介された。

沖縄国頭村。
海沿い国道1.4kmに渡って防波堤などの建設を、今年から復興予算で。
地元の人も「知らなかった。復興に回して欲しい」と首をかしげる。

この事業の名目は、「緊急性の高い大地震や津波。昨年度は台風・大雨。今年は地震をプラス。」

7億円のうち5億円が補助金。

復興予算を使いたいから?とのNHKの質問に対して担当者(経産省?)は
「まだ対策されていない部分を地震対策として実施する。」と回答した。


国内立地補助金の2つ目の例は、外務省の青少年交流事業。
外国の若者100人を「キズナ復興プロジェクト」として復旧した養殖場などに招待する、という内容。

震災前にも「東アジア青年大交流事業」という名前でほとんど同じ事業があったが、今年3月で終了していた。

プロジェクトでは、東京・大阪・京都・神戸を回る。
東京の期間に2日間だけ被災地訪問が入っているが、残りは被災地とは言えない地域を回る。
復興予算から72億円超。外国の若者は計10000人訪問していて(年間で?)、費用はすべて国もち。

「終了させた事業を震災に絡めて復活させたのでは?」というNHKの質問に対して、
(外務省の?)担当者は「内容は似ているが風評被害などの解消のため」という回答をした。


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神戸大学の塩崎名誉教授は
「被災地が口実に使われてお金が被災地に向かっていない。」
と語る。

国の担当者もこの事実を認めてて、
「被災地地以外に使われていることに疑問が生じるのは否定できない」
という発言をしている。


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次に、被災地の人たち自身が立ち上がろうと補助金をもらおうとしても選考から外れてしまう例が紹介された。

岩手の大槌町。

国の「グループ補助金」は2000億円(5次まであるみたいだから、これは1次の額?と思う)。
目的は「震災で被災した中小企業の施設や設備の復旧と整備を支援するため」。
(ところで復興費のうち経産省分は全部で1兆9000億円らしい。)

この補助金から、事業費の3/4まで補助。

地元商店街のグループで応募したが、落選した。

NHKの取材では、見送りの理由は以下の通り。

本補助金では岩手県分150億円で、申請額255億円。
例えば、商店街グループより水産加工グループの方が選びやすい。
なぜなら波及効果として漁業・養殖・飲食店などが見込まれ、商店街よりも波及効果が大きいと判断できるから。

結局、全申請のうち60%が認定されず。全申請数は2704件。


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あとは厚労省の補助金に関しても、被災地にお金が足りていない実情が伝えられた。

「医療施設等災害復旧補助金」で補助が受けられるが、ある地元のお医者さんが自分の病院を再開したときにかかった2382億円に対して、160億円しか補助してもらえなかった。
民間の町のお医者さんにはお金が届きにくくなっている。

被災地以外には多くのお金が流れているのにもかかわらず、町のお医者さんや商店街の人々など、被災地の担い手には向かわない。


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がれき処理費用の被災地の使い方の良し悪しに対する報道もされていた。

この費用の1兆円はほぼ全額国から自治体に支払われた。
(3121万トンの処理は全て国の費用らしい。)

NHKが情報公開請求し、自治体別の処理単価(1トン当たりの処理費)を調べた。

50万トン以上のがれきが発生した自治体の中でワーストは石巻、ワースト2位は東松島。

ところが、石巻での処理単価は東松島の7倍もすることが分かった。

がれき量は石巻で426万トン(ワースト)。東松島は419万トン(ワースト2位)。

石巻ではがれきの分類なしに集めていた。
集めた後に分別してるからよけいに多額の費用が掛かっている。
ハエの発生に対する薬の散布も必要。管理費40億円。


一方、石巻のすぐ隣の東松島市。
蛍光灯・電池・消化器・酸素ボンベなど、金属・木材・タイヤなどなど。
現場で分別後に集積されている。

管理費用:5億円。

今回は、9年前の震度6強の地震の教訓が生かされているらしい。
その時は分別せずに収集してしまい、処理費用は想定の1.5倍もかかった。
この教訓が生きているらしい。

(でも9年前の地震ではきっと隣の石巻も被害にあったんだと思うけど。。?)


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処理業者のモラルに関わる話も。

石巻では、がれき処理の確認のために写真をファイリングした資料を提出させていた。

でも、作業の有無が確認しづらい資料が多い。
作業員の顔だけの写真。担当者氏名なしの報告書。ずさんな業者の書類。

処理業者には重機・作業員の数を提出する義務があったが、人手が足らないせいもあって、市が細かくチェックすることは無かった。
業者のモラルに任せていた。(業者の証言)

費用の水増しも。
とある業者のとある従業員は、1週間で終わる作業を引き延ばすよう上司に指示されたと証言した。
国から出るからいい、と。

石巻はいま改めて膨大な資料をチェックしてる。


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釜石の処理事業では、効率的にお金を使おうと工夫している。

まず実際のモデルケースを考えて、コストを計算するために、
1.手作業、2.重機、3.家具など手作業で出した後重機、
の3種類を比較した。

限られた予算を効率的に使おうと。そのコストを元に入札制。
その結果、2番目に低コストな処理費用を達成している。
(50万トン以上のがれきが出た自治体の中で)


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最後のNHKナレーターの言葉。

「被災地にも復興予算をどう使うのかが問われている。」

「復興予算のあり方は、日本が今後どうあるべきか、をも占っている。」

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